年中生える雑草。「どうにかして作業時間を減らしたい!」「楽に除草する方法はないのか?」とお困りの方も多いと思います。
そんな時は草刈り機を使うことで作業時間を短縮することができ、作業負担も軽減します。
今回は、数ある草刈り機の中から自分に合う機種の選び方、最新版のおすすめ機種を紹介します。
賢く買うためのポイントもおさえて、自分にぴったりの機種を見つけましょう!
草刈りを放置することで起こる3つのリスク
害獣、害虫が発生する
草刈りをしないと雑草が伸びます。雑草は湿気が程よく含まれ、かつ身を隠しやすい場所として、アライグマや蛇などの害獣や、ハエやゴキブリといった害虫が集まりやすくなります。
不法投棄が増える
草刈りを行わず背の高い草が生い茂っている場所は、草が目隠しの役割を果たすので不法投棄が増えやすいです。
農作物の生育を阻害する
草をきちんと管理しなければ、農作物以上に土の養分や水分を吸ってしまったり、農作物に太陽が当たらなくなってしまったりします。
草は伸びすぎる前に対処しないと手が付けられないほど生い茂ってしまいます。
草刈り機があるとよい3つの理由
除草剤はランニングコストがかかる
草の管理方法は様々ありますが、まずは除草剤と草刈り機を比較してみます。
ものにもよりますが、除草剤のコストは1反あたり3~4万円ほど。散布回数は年2回が目安です。
一方草刈り機は安いもので2~3万円から購入可能。
草は毎年生えるので、毎回除草剤を購入するよりも草刈り機を1台購入した方がお得だといえるでしょう。
レンタルは機種と利用可能地域が限定される
最近はカインズなどのホームセンターで草刈り機をレンタルすることも可能です。1日1500円ほどでレンタルすることができます。
しかしまだ利用可能店舗が限られている状況です。
また、利用できるのは刈払機という種類のみ。
1日では作業が終わらないほどの広い面積を草刈りしたい方、利用可能店舗の近くにお住まいでない方は、草刈り機を購入する方がおすすめです。
業者委託はコストがかかる
草刈りを行ってくれる業者は、草刈り専門業者、便利屋、シルバー人材センターなどいくつかあります。
業者によって価格が異なりますが、何度も草刈りを依頼する必要があるところでは、草刈り機を購入する方が結果的にコストを抑えられます。
相場は30坪で2-3万
草刈り専門業者、便利屋、シルバー人材センターでは作業面積に応じて費用を算出する業者が最も多く、相場は30坪で2~3万程度です。
草の処分費用がかかる
また、刈った草の処分や出張費が追加費用として発生します。
軽トラック1台分3,000円~、もしくは45Lのごみ袋1袋ごとに300円かかります。
出張費がかかる
例えば、東京都の便利屋の草刈りの出張費相場は作業員1人あたり4,200円前後。
地域によっても出張費は異なるので、注意が必要です。
草刈り機の種類
草刈り機には種類がたくさんありますが、大きく分けると「刈払機」と「自走式草刈り機」の2種類に分けられます。
刈払機
刈払機とはハンドルがある棒の先端に回転する鋸がついた草刈り機のこと
刈払機とは、草や小径木を刈払うための機械のこと。
構造は原動機、シャフト(棒)、回転する鋸からなり、シャフトに固定されたハンドルを操作して作業を行います。
刈払機は一家に一台必要
どんな圃場でも、農家であれば一家に一台必要になるのが刈払機。
機械を背負って作業するので、自走式草刈り機が通れない幅が狭い場所や、細かな作業が可能です。
自走式草刈り機
自走式草刈り機とは、車輪付きで機械が自ら進んでいく草刈り機のこと
刈払機のように手動で動かす草刈り機とは異なり、自走式草刈り機は車輪が付いていて機械が自ら進んでいく草刈り機のことを指します。
基本的には、休耕地や空き地などの比較的広い土地で使用されることが多いです。
足元が安定しない場所での作業には「自走式草刈り機」がおすすめです
傾斜地やぬかるんだ悪路では足元が安定せず、刈払機では身体的負担が大きいと感じる方が少なくありません。
自走式草刈り機は傾斜対応のものや、悪路でも走破性を発揮する機種があります。
広い土地を刈りたい方におすすめ
刈払機では1日以上作業が必要になるほど広い面積を刈りたい方は、自走式草刈り機を使うと作業時間の短縮につながります。
刈払機の選び方
動力で選ぶ
動力はエンジン式、充電式、コード式の3種類があります。それぞれのメリット、デメリットを紹介します。
エンジン式はパワーが欲しい方におすすめ
エンジン式はガソリンなどの燃料を使って動かします。
3種類の中で最もパワーが強く、広範囲の草刈りを行う方に向いています。
その分騒音も大きいので、使う場所によっては注意が必要です。
また、定期的な燃料補給と、使用後の簡単なメンテナンスが必要になります。
充電式は女性やお年寄りにおすすめ
充電式はバッテリーを使って動かします。
静かなので住宅地でも使いやすいです。重量も軽く非常に扱いやすいので、女性やお年寄りにおすすめです。
一方、作業できる時間がバッテリーの持ち時間に左右されてしまう点があります。
バッテリーの容量にもよりますが、広範囲の作業にはおすすめしません。
コード式は長時間作業したい方におすすめ
コード式はコードをつないでコンセントから電源を供給し動かします。
電源があれば長時間使えること、軽くて静かなことがメリットとして挙げられます。
しかし、コードの届く範囲でしか使えないため、作業場所が限定的になります。
ハンドルの形状で選ぶ
ハンドルの形状は使いやすさに直結します。主に両手ハンドル、ループハンドル、ツーグリップハンドル、背負い式の4種類があり、形状ごとに得意な地形も異なります。
両手ハンドルは平地に最適
両手で持つタイプのハンドルです。ハンドルを握ると正面を向くことになるので左右に振りやすく安定感があります。平地での作業に最適です。
一方、縦の動きがやや苦手なため、山間部などの障害物が多い地域や傾斜地には向いていません。
ループハンドルは障害物の多い場所に最適
半円状の持ち手が付いたタイプです。
体を固定せず使用できるため小回りが利き、障害物が多い場所でも作業がしやすいです。
ツーグリップハンドルは細かな作業に最適
柄についている2か所のグリップを握って動かします。
地形に合わせて手首を動かせば簡単に刃の角度を変えられるので、起伏の激しい場所や狭い場所での細かい作業におすすめです。
背負い式は広範囲の作業に最適
1番重いエンジン部分を腕で支えるのではなく、背負うタイプの刈払機です。
腕への負担が少なくなるため、広範囲かつ長時間の作業に適しています。
ナイフの種類で選ぶ
刃は金属刃、ナイロンカッター、チップソーの3種類です。刈払機は取付穴のサイズが同じであれば違う種類の刃でも取り付けられるようになっているので、刈り取りたい物に合わせて選びましょう。
安く済ませるなら金属刃
2~8枚ほどの刃で作られたシンプルなデザインなのが金属刃です。
刃の数が少ないものは草がまばらな場所、多いものは密集した場所に使います。
比較的安価なうえ、切れ味が落ちたら研ぎなおして何度でも使用できるためコスパの良い刃だといえます。
チップソーはどんな草でも刈り取れます
チップソーはアルミやステンレスなどの硬い素材でできた刃です。
金属以上の硬度があり、ほぼどんな草でも刈り取れるのが魅力です。
特にこだわりがない場合は、チップソーを選んでおけば問題ないでしょう。
ナイロンカッター(コード)は柔らかくて短い雑草におすすめ
ナイロンコードを回転させ鞭のようにしならせながら草を刈り取るものを、ナイロンカッターといいます。
障害物に当たっても火花が散らないので、柵や石などの障害物が多い場所にも有効です。
反面、背が高く生い茂った草は刈り取りにくいです。
自走式草刈り機の選び方
作業面積で選ぶ
作業面積が狭い場合は刈払機で十分
今刈払機を所有しており、作業時間が1日未満で終わる、かつ平地で作業負担が少ない方は自走式草刈り機を購入する必要がないといえるでしょう。
作業面積が広い場合は刈り幅が広い機種を選ぶ
作業面積が広い土地をお持ちの方は、刈り幅の広い製品を選ぶのがおすすめです。
一度に刈り取ることができる面積が増え、その分作業時間の短縮が見込めます。
おすすめなのは、「雑草刈機ブルモアー HRC805(オーレック)」
刈り幅800mmと広く、ハンマーナイフで背の高い草も力強く粉砕します。
クローラー搭載で軟弱地でも走破性抜群。
背が高く密集した草にお困りの方におすすめです。
草丈で選ぶ
背の高い雑草が生えている場合は、馬力が高い機種を選ぶ
腰丈の高さまで雑草が生えている場所では、馬力の高い機種を選びましょう。
パワーが強いと生い茂った雑草地でもバリバリと草を刈ることができますし、速度を落として刈る必要がないため、作業効率も落ちません。
おすすめなのは、「乗用型草刈機ラビットモアー RM984X(オーレック)」
乗用型草刈り機シリーズ最大馬力の24ps(17.2kW)を搭載しており、力強い草刈りが可能です。
衝撃や振動を吸収する役割のシートサスやフロントサスを改良し、切り替え式のオートクルーズ機構(運転者が設定した速度を自動で維持する機能)を備えているので、乗り心地も快適です。
作業場所の形状に注意する
傾斜がある土地は、草刈り機の適応角度に注目
自走式草刈り機はそれぞれ、使用可能な傾斜角度が異なります。
例えば斜面の草刈りに特化したスパイダーモアーだと最大50度、乗用型の草刈り機だと最大で15~20度ほどの斜面まで作業が可能です。
斜面適応角度を超えて使用すると、機械が横転して重大事故、火災やエンジントラブルが発生してしまいます。
事故を防ぐためにも、傾斜適応角度は必ず確認するようにしましょう。
40度以上の傾斜におすすめなのが、「スパイダーモアー SP853(オーレック)」
2023年1月に発売開始した新モデル。
従来機よりタイヤ径を30mm大きくし接地面を増やしたことでより滑りにくく、不整地でも駆動力を発揮します。
速さも4段階選べるので、どんな方でも使いやすいモデルです。
障害物の多い場所で使用する場合は車体サイズに注目
同じシリーズの製品でも、何種類ものモデルが販売されています。
特に樹間の狭い果樹園や狭い土地で使用される方は、なるべく車体サイズが小さなものを選ぶとよいでしょう。
刃の種類で選ぶ
自走式草刈り機は大きく分けて刃の形状が2種類あります。
手軽に手入れできる「ロータリーナイフ」と、刈り取り能力が抜群な「ハンマーナイフ」です。
手軽さを重視するならロータリーナイフ
ロータリーナイフは、水平に取り付けられた刃が回転することで草を刈り取ります。
自走式草刈り機の中では一般的な刈り取り方法です。
刃数が少なく構造もシンプルなので刃の交換がしやすいことがメリットです。
ランニングコストは後述するハンマーナイフより安く済みます。
ロータリーナイフの種類は障害物の有無で選ぼう
また、ロータリーナイフには「バーナイフ」と「フリーナイフ」の2種類の形状があります。
バーナイフは安価ですが、刃に逃げ場がないため石などの障害物に特に弱く、ナイフが消耗しやすいです。
背の高い草や粉砕機能を重視するならハンマーナイフ
Y字型の刃で草を巻き上げ粉砕していくのがハンマーナイフです。
刃の本数が多く、草を細かく切り刻むため、刈り取った後の草を集める必要がありません。
作物の収穫後の残渣処理、緑肥の刈り取りに使用されることも多いナイフです。
ロータリーナイフより刃の本数が多いため、交換する手間やコストがかかるのがデメリットです。
購入できる場所
刈払機はホームセンター(ナフコ、コメリなど)でも購入できますが、
自走式草刈り機はお近くの農機具販売店にお問い合わせください。
後悔しない買い方
高いお金をだして草刈り機を購入するからには失敗したくないですよね。
買う前に機械を目の前で確認できたり、試せたり場合もありますので、ご紹介します。
展示会に行く
購入する前に実物を見たいという方には、メーカーが開催する展示会や、販売店のショールームを見学するのがおすすめです。
東京ビックサイトで年に1度開催される「草刈り・除草ワールド」や「農業WEEK」では、
メーカーが数多く出展するため担当者から詳しい話を聞くことができます。
→草刈り・除草ワールド https://jma-agro.com/wsw/
→農業WEEK https://www.agriexpo-week.jp/tokyo/ja-jp.html
最新機種が見られる
また、展示会では各社の最新機種が展示されている可能性が高いです。
サイズ感や重量を実際に見て検討することができます。
担当者から詳しい話を聞くことができる
展示会にはメーカー各社から営業・開発の担当者が登壇するので、製品についてどこよりも詳しい情報を聞くことができます。
販売店のショールームに行く
農機具販売店のショールームでも機械を見ることが可能です。
希望する機種の実演依頼も可能
購入を検討している機械の実演を販売店に依頼することも可能です。
購入後のイメージを膨らませることができるので、失敗も少なくなります。
オーレック社製品ならOREC green lab長野で見られます
草刈り機メーカーのオーレックは、全国に2拠点ショールームを開設しています。
長野県長野市には「OREC green lab長野」というショールームがあり、
乗用草刈り機から水田除草機まで、多数の草刈り機を一度に見ることができます。
https://www.orec-jp.com/greenlab/
青森県の方はOREC green lab弘前に行ってみて!
青森県弘前市にもオーレック社のショールーム「OREC green lab弘前」があります。
こちらも長野県同様、多数の草刈り機を見ることができます。
https://www.orec-jp.com/greenlab/
草刈り機には刈払機と自走式草刈り機の2種類がありましたね。
刈払機は機械を背負って作業するので、幅が狭い場所や、細かな作業に適しています。
自走式草刈り機は機械が自ら進んでいくので、休耕地や空き地などの広い土地や、足元が安定しない場所での使用に向いています。
機種がたくさんあってわからない!という方は、実演依頼もできますので、まずはお近くの農機具販売店にお問い合わせください!