500円というワンコインでできる小さな贅沢。そうそれは、“いちご”。
赤く輝きながらも可愛らしく、まるで宝石のようないちごは、寒い今だからこそ楽しめる、冬が旬のフルーツ。
スーパーで見かけると、ついついカゴにいれてしまうこと、ありませんか?
その時「美味しいいちごはどれだろう」と迷ったことも、ありませんか?
実が大きいもの?それとも小さいもの?粒がそろっている方が良い?赤さは?
そんな悩みを解決すべく、絶対に美味しいいちごを選び、食べるためのノウハウを今回はいちご先生として、いちごソムリエの宮崎大輔さんにお話を伺いました。
株式会社イチゴテック|宮崎 大輔さん
1988年生まれ、長野県出身、信州大学大学院修士課程卒。大学院でいちごを研究し、2015年からは農業コンサルタントとして海外でいちご栽培の技術指導を行う。”へた”を見ただけで品種を当てる”いちごソムリエ”の肩書をもち、自身が運営するYoutubeのチャンネル登録者数は17万人。
とにかく赤ければ甘い。大きさは関係なし!
ー早速ですが、スーパーで確実に美味しいいちごを見分ける選び方のポイントを教えてください!
宮崎:ヘタの近くまで赤いかどうかがポイントになります。
ヘタ近くまで赤い方が、完熟しているということになり美味しいです。いちごは熟した方がジューシーで甘さが強くなります。
ーヘタ近くまで赤いかどうかを見れば良いのですね。
たまに、ヘタ近くがうっすら緑色になっていたり、白かったりするいちごもありますよね。
宮崎:いちごは収穫後に赤さが増すという意味では追熟する果物なので、収穫後もヘタ近くまで赤く変化します。糖度といって、数字で表される甘みの値は収穫前に決まってしまうので、できれば収穫時にヘタ近くまで赤くなっているものの方が味は良いですが、店頭ではとにかく、赤く完熟しているものを選びましょう。
ーいちごは冬の果物という印象がありますが、美味しい時期は冬だと思っていいですか?
宮崎:その通り、いちごが美味しいのは12月から2月の冬の間です。
気候が寒いと、いちごが赤くなるのに時間がかかり、甘みである糖が溜まる日数も長いため美味しくなります。
ーなんとなく「大きい方がしっかりしていて、中がみずみずしいのでは?」や「小さい方が実が詰まっていて甘いのでは?」などと思ったりするのですが、粒の大きさと甘さは関係してますか?
宮崎:実は、大きさと甘さはそんなに関係していません。赤ければ甘いと思っていて大丈夫です。
一度に食べきれない時は冷蔵庫にいれよう!
ー美味しいいちごですが、どうしても一度では食べきれないときもありますよね。いちごの良い保存方法はありますか?
宮崎:一度に食べきれず保存する場合には、冷蔵庫にいれるようにしてください。冷蔵庫は温度が安定しているので保存に適しています。入れ方については、乾燥しないようにラップに包むか、野菜室に入れるのが良いです。
ーそもそも買った時点で少し時間が経っている、おつとめ品のいちごなどの場合はどうしましょう?
宮崎:おつとめ品のいちごをさらに保存する場合や、どうしても食べきれない場合はヘタを切って保存袋に入れ冷凍すれば長持ちします。冷凍いちごが溜まったらいちごジャムを作ってみてください。美味しいですよ。
ージャムにするのも素敵ですね!いちごを洗うタイミングでも、味が落ちたりすることはありますか?
宮崎:そのまま食べる場合は、食べる直前に洗うようにしてください。理由は洗うと傷がついて腐りやすくなるからです。いちごのヘタは取っておいても、とらなくてもどちらでも良いですが、とるときに傷がつく可能性があるので、美味しく食べるにはそのままが良いと思います。
ーヘタは包丁を使って切り落としてもよいですか?
宮崎:へたのとり方は手でも包丁でもどちらでもOKです。手で取ると固い部分が残るので、気になる人は包丁を使うと良いと思います。
いちご先生おすすめの食べ方は「食べ比べ」
ー美味しいいちごの選び方を教えていただきましたが、いちごソムリエである宮崎さんおすすめの食べ方を教えてください!
宮崎:保存する場合は冷蔵庫が良いとお話しましたが、冷蔵庫から出してすぐに食べるといちごが冷たすぎて甘さを感じにくいため、そのまま食べる場合は常温で30分ほどおいてから食べるのがおすすめです。水で洗った後も、キッチンペーパーなどで水気をふき取った方が、味が薄まりにくいです。
ー美味しいいちごを食べるには、焦らず、丁寧に、ということですね。練乳や砂糖など、いちごに何かをかけたりするのが好きな人も多いですが、その点ではおすすめはありますか?
宮崎:冬のいちごは甘さが強いので何もつけず、そのまま食べてみてほしいです。春になると甘さがやや落ちるので、春のいちごは練乳をつけて食べるのがおすすめです。
ー季節で食べ方を変えるのは考えがなかったです。楽しみ方が増えますね。
宮崎:いくつかの品種をスーパーで買って、いちごの食べ比べをするのもおすすめです。品種によって違いがあるため、きっと楽しめると思います。
前編では、いちごの選び方、食べ方を教えていただきました。
これで明日から美味しいいちごを買えるようになったのではないでしょうか。
宮崎さんには、いちごについて、もっと色々なお話をお聞きしました。
ここでは入りきらなかった、詳しいいちごの話を後編でお伝えします。